7月20日、函館芝1200mで行われた函館2歳ステークス。
結果は、5番人気フェリチタ(タワーオブロンドン産駒、横山和生騎手)が優勝しました。
分析記事では「血統×洋芝×枠順」の3軸で読むと書きました。
シグレ(1番人気、Twirling Candy産駒)、イモージェン(2番人気、サリオス産駒、キャロットクラブ)、ロンドンガーズ(3番人気、横山武史)を中心視。
結果、イモージェンは2着に食い込みましたが、シグレは5着、ロンドンガーズは12着に沈み、勝ち馬フェリチタは私の分析の中心には入っていませんでした。
2歳戦らしく、能力比較だけでは届かないレースでした。
結果
1着:フェリチタ(5番人気、牝・タワーオブロンドン産駒×母父ハーツクライ、横山和生騎手)
2着:イモージェン(2番人気、牝・サリオス産駒×母父キングカメハメハ、キャロットクラブ、佐々木大輔騎手)
3着:ダイシンドラゴン(8番人気、ビッグアーサー産駒×母父ハーツクライ、丹内祐次騎手)
4着:ノリヤンモーニン(5番人気、モーニン産駒×母父キングカメハメハ、浜中俊騎手)
5着:シグレ(1番人気、Twirling Candy産駒)
6着:ショウナンカノア(池添謙一騎手)
10着:ダイメイビッグボス(4番人気、横山武史騎手)
12着:ロンドンガーズ(3番人気、北村友一騎手)
第1部:今回の勝因は「位置取り」
重馬場での結果というと「差しが届きやすい」と思われがちですが、今年の函館2歳Sは違いました。
逃げノリヤンモーニン(4着)
2番手イモージェン(2着)
先団シグレ(5着)、ロンドンガーズ、フェリチタ(1着)——
重馬場だから差しが届くのではなく、位置を取れた馬が残ったというのが実相です。
掲示板の5頭中4頭が先行〜好位。
これは「洋芝+重馬場+短距離」の特徴として、来年以降も残しておきたい教訓です。
第2部:騎手の見立てを外した——横山武史ではなく横山和生
分析記事では、函館芝1200m巧者として横山武史騎手(ダイメイビッグボス、4番人気)を重視しました。
結果、ダイメイビッグボスは10着。
勝ったのは横山和生騎手のフェリチタ。
兄弟騎手の兄・和生の方が結果を出しました。
函館開催の横山兄弟の存在感を改めて感じた一戦です。
「函館は横山」——騎手名は合っていたが、兄か弟かで結果が変わりました。
第3部:8枠有利は今回通用せず——枠順理論の検証
分析記事では、Geminiのデータを基に「函館1200mは5〜8枠が有利」と書きました。
過去10年の優勝馬10頭中8頭が5枠〜8枠から出ているというデータでした。
しかし今年の結果は違いました。
8枠15番ダイメイビッグボス(4番人気):10着
8枠16番ロンドンガーズ(3番人気):12着
7枠ショウナンカノア:6着
6枠シグレ(1番人気):5着
外枠の人気馬が軒並み能力を出し切れませんでした。
勝ったフェリチタは中枠、2着イモージェンも中枠付近からの好位差し。
「外枠有利」の理論は、今回は通用しませんでした。
3つの要因を整理
なぜ外枠が振るわなかったのか——考えられる要因を3つ整理します。
要因①:重馬場
重馬場になると外が伸びるケースもあれば、内が荒れて外へ出すケースもあります。
今回は先行馬が残る競馬でしたから、「外を回される差し馬」は厳しかった。
要因②:展開
ノリヤンモーニンが逃げて、イモージェンも前。
ペースが極端に速くならず、前が止まりませんでした。
8枠勢は位置取りやコース取りが難しくなった可能性があります。
要因③:馬の能力・適性
そもそも外枠の人気馬たちが、能力を出し切れなかったとも考えられます。
血統・適性・馬場との相性——複数の要因が重なった可能性もあります。
断定はしない
今回の結果だけで「5〜8枠有利」の理論を捨てるのは危険です。
競馬は一回の結果だけで理論を捨てるのが一番リスクが高い判断——
これも30年競馬を見てきた実感です。
「外枠だから買い」という単純な考え方では通用しないことは改めて感じましたが、これが重馬場の影響なのか、先行馬が残る展開だったのか、それとも各馬の血統・適性によるものなのかは、現時点では断定できません。
ANDY理論としては、「5〜8枠有利」は保留しつつ、重馬場・展開・血統を掛け合わせて検証を続けたいと思います。
今回のデータは「外枠有利の例外パターン」として、来年以降の判断材料に残します。
第4部:一番の発見|サリオス産駒2着とモーニン産駒4着
今回の回顧で最も価値ある発見が、この2つです。
サリオス産駒イモージェン2着
キャロットクラブのイモージェンが2着に食い込みました。
父サリオス、母父キングカメハメハ。
分析記事で「まだ産駒数が少ないから未知数」と書いたサリオス産駒が、いきなり重賞で結果を出しました。
サリオスはディープインパクト系の新たな後継候補として存在感を示した形。
産駒はまだサンプルが少ないですが、洋芝・重馬場でも対応できた点は今後も注目したい要素です。
一口馬主として、キャロットクラブの馬が2着に来たのも嬉しい結果でした。
モーニン産駒ノリヤンモーニン4着
分析記事では「ダート馬ちゃうか」と書いていたモーニン産駒のノリヤンモーニン。
結果は逃げて4着——大健闘です。
モーニンはヘニーヒューズ系のダート寄りの種牡馬ですが、2歳の洋芝なら十分対応できる可能性を見せました。
「ダート血統だから消し」と決めつけるのは危険かもしれません。
これは来年以降の見方を変える発見です。
第5部:母父ハーツクライ・キングカメハメハが上位独占
もう一つ、面白い発見が母父の傾向です。
上位4頭の母父を並べてみます。
1着フェリチタ:母父ハーツクライ
2着イモージェン:母父キングカメハメハ
3着ダイシンドラゴン:母父ハーツクライ
4着ノリヤンモーニン:母父キングカメハメハ
上位4頭が全てハーツクライまたはキングカメハメハ。
偶然の可能性もありますが、これは記憶しておきたい傾向です。
洋芝重馬場での母父ハーツクライ・キンカメの適性——
サンプルは少ないですが、来年以降の函館2歳Sで検証したいデータです。
第6部:父系の多様化を感じた一戦
上位馬を見ると、サンデーサイレンス系一色ではありませんでした。
父系を整理してみます。
1着フェリチタ:父タワーオブロンドン(Raven’s Pass系→非サンデー系)
2着イモージェン:父サリオス(ディープインパクト系=サンデー系)
3着ダイシンドラゴン:父ビッグアーサー(サクラバクシンオー系)
4着ノリヤンモーニン:父モーニン(ヘニーヒューズ系)
- サンデー系(サリオス)
- サクラバクシンオー系(ビッグアーサー)
- Raven’s Pass系(タワーオブロンドン)
- ヘニーヒューズ系(モーニン)
——見事に父系がバラけています。
勝ったタワーオブロンドンは「新種牡馬」ではなく、すでに数世代の産駒がデビューしていますが、現役時代は短距離のG1馬。
函館1200m、洋芝、重馬場、スプリント——
この条件はタワーオブロンドン産駒の適性を引き出した可能性があります。
3着のビッグアーサー産駒(父系サクラバクシンオー)も、洋芝スプリントに血統適性を感じさせる内容。
4着のモーニン産駒(ヘニーヒューズ系)は、ダート寄りと思われていたが洋芝・道悪への対応力を見せました。
一方、2着のイモージェンはサリオス産駒でディープインパクト系。
サンデー系は決して終わったわけではなく、ディープインパクト系・ハーツクライ系・キタサンブラック系・イクイノックス系と後継が枝分かれし、依然として日本競馬の中核を担っています。
そこに非サンデー系(タワーオブロンドン、ビッグアーサー、モーニンなど)が加わり、父系の選択肢がさらに広がった——
「サンデー一色」から「サンデー系+多様な父系」の時代へ、選択肢が広がってきたことを感じさせる一戦でした。
🐴ANDYメモ|今回の学び
□ 重馬場でも「位置を取れた馬」が残る、差しは届きにくい
□ サリオス産駒は洋芝・重馬場でも対応可能
□ モーニン産駒も2歳の洋芝なら侮れない
□ 母父ハーツクライ・キングカメハメハの傾向をメモ
□ 函館の横山兄弟は「和生」も要注目
□ タワーオブロンドン産駒は函館・洋芝・短距離条件で狙える
□ 「5〜8枠有利」は保留、重馬場・展開との掛け算で検証継続
□ サンデー系(ディープ・ハーツ・キタサン)+非サンデー系の父系多様化
まとめ
今回の函館2歳Sは、血統も騎手も展開も、あと一歩届きませんでした。
ただ、
サリオス産駒の重賞2着、
モーニン産駒の芝適性、
母父ハーツクライ・キングカメハメハの傾向、
タワーオブロンドン産駒の洋芝適性、
横山和生騎手の存在感、
外枠有利の理論は今回通用せず、重馬場・展開・適性との掛け算で今後も検証——
新しいデータは得られました。
外したレースほど、来年への財産になる。
今年の函館2歳ステークスは、そんな一戦だったと思います。
2歳戦は能力比較だけではなく、血統・成長力・馬場適性が毎年変化するレース。
今年得たデータが、来年の函館2歳Sでどう活きるか、また検証していきたいと思います。
夏の分析シリーズ、続きます🐎

