【安田記念2026】上がり3F性能から徹底分析|過去10年データ・枠順・展開を考察

予想手法・データ分析・回収率アップ

2026年6月7日、東京競馬場で第76回安田記念が行われます。
当初1番人気想定だったアドマイヤズームが回避し、真の意味で「軸不在」のG1となりました。

そんな中、安田記念をどう読み解くか——私が重視するのは「上がり3F性能」と「東京マイル適性」です。

一口馬主歴20年、現役のITエンジニアでもある私が、過去10年のデータと枠順確定情報から今年の出走馬を分析しました。

1. 過去10年データから見える安田記念の本質

過去10年の安田記念を振り返ると、明確な傾向が見えてきます。

JRA-VANのデータによると、上がり3ハロン1位の馬は【3.3.3.3】で勝率25%、連対率50%、複勝率75%という優秀な成績を残しています。
2位の馬も【2.0.0.6】で単勝・複勝の回収率が高く、上がり上位の馬が複数好走する傾向が顕著です。

つまり、安田記念は「最後の末脚」が勝敗を分けるレースだと言えます。
ただし、これは「上がり3F性能だけで決まる」という意味ではありません。
重要なのは、東京マイルという舞台で33秒0以下の末脚を使える地力があるかどうか、です。

過去10年で上がり3F1位を記録した12頭のうち、8頭にはオープンクラスの芝1400m〜1600mで上がり3ハロン33秒0以下をマークして3着以内に入った実績がありました。
2018年9番人気で勝ったモズアスコットは、前走安土城Sで32秒9の脚を見せていました。
2021年勝者ダノンキングリーは、19年共同通信杯で32秒9をマーク。
2023年連覇のソングラインは、22年安田記念で32秒9の決め手で勝利していました。

「過去に東京で速い上がりを出した実績」が、安田記念での好走の重要な指標になるのです。

過去5年の優勝馬を見てみましょう。

優勝馬性齢人気騎手タイム
2025ジャンタルマンタル牡42川田1:32.7
2024ロマンチックウォリアーセン61マクドナルド1:32.3
2023ソングライン牝54戸崎1:31.4
2022ソングライン牝44池添1:32.3
2021ダノンキングリー牡58川田1:31.7

人気別で見ると、1番人気は【1.3.4.2】で複勝率80%と軸としては信頼できる一方、4番人気が最多3勝、7〜9番人気からも4勝が出ています。
ソングラインは連覇とも4番人気、ダノンキングリーは8番人気。決して「1番人気を素直に買うレース」ではありません。

2. 枠順確定|気になる各馬のポジション

6月5日に枠順が確定しました。

馬番馬名騎手
11レーベンスティール戸崎圭太
12ロングランF.ゴンサルベス
23オフトレイル菅原明良
24シックスペンス武豊
35サクラトゥジュール佐々木大輔
36ステレンボッシュD.レーン
47スズハローム藤懸貴志
48シャンパンカラー岩田康誠
59ウォーターリヒト高杉吏麒
510ルクソールカフェ岩田望来
611ワールズエンド津村明秀
612シリウスコルト横山和生
713セイウンハーデス幸英明
714ガイアフォース横山武史
815ドラゴンブースト丹内祐次
816パンジャタワー松山弘平
817トロヴァトーレC.ルメール

特に気になる枠順を整理します。

トロヴァトーレ:8枠17番(ほぼ大外)

重賞連勝中のトロヴァトーレが大外を引きました。
ダービーで皐月賞馬ロブチェンが大外17番から控える競馬で勝ったように、今年のG1は外枠を活かす展開もあり得ます。
ルメール騎手なら、無理に内へ入れず、終始リズム良く外目を追走→直線で馬場の良い真ん中へ、という競馬を選ぶでしょう。

レーベンスティール:1枠1番(内一番)

メンバー最多の重賞5勝、レーベンスティールが内一番。
戸崎騎手の鞍上で、ロス少なく回れる絶好の枠順。距離短縮で、好位から競馬を進められれば穴に注意です。

ガイアフォース:7枠14番

昨年も7枠14番から2着に好走したガイアフォースが、今年も同じ枠。
横山武史騎手で「前目につけて33秒台前半を使う」総合力勝負ができれば、リピーターとしての注目度は高い1頭です。

パンジャタワー:8枠16番

昨年のNHKマイルC勝ち馬で当舞台G1ホルダー。
2度目のマイル戦への挑戦で、松山騎手の鞍上。外枠ですが、府中の長い直線では十分挽回可能なポジションです。

ステレンボッシュ:3枠6番

唯一の牝馬+斤量54kg+レーン騎手の組み合わせ。
内寄りの好枠で、エプソムC2着の経験を活かせる位置取りができそうです。

3. キャロットファーム3頭出し|一口馬主目線で注目

今年の安田記念には、私が所属するキャロットファームから3頭が出走します。

馬名枠順騎手特徴
レーベンスティール1枠1番戸崎圭太重賞5勝、距離短縮の挑戦
シックスペンス2枠4番武豊キズナ産駒、マイル戦線本格化
ワールズエンド6枠11番津村明秀京王杯SC勝ち、距離延長

3頭それぞれにストーリーがあります。

レーベンスティールは1800m〜2000mを主戦場としてきた馬がマイル戦に挑戦。1枠1番の絶好枠で、戸崎騎手とのコンビは継続。
シックスペンスはキズナ産駒のマイラーとして本格化が問われる1戦。武豊鞍上で2枠4番という好枠。
ワールズエンドは京王杯SC(1400m)を逃げ切った勢いで距離延長。津村騎手で6枠11番。

私自身は3頭とも未出資ですが、所属クラブの3頭出しは応援したくなる気持ちが自然に湧きます。
ヴィレムを失った今年、こういう「クラブ全体の挑戦」を見られることは、一口馬主を続ける楽しみの1つです。

4. 2026年候補馬の上がり3F性能ランキング

今年の出走馬の直近の上がり3Fをまとめます。

32秒台の爆発力グループ

馬名上がり3Fレース
セイウンハーデス32.4天皇賞秋
スズハローム32.5睦月S
オフトレイル32.6マイルCS
スズハローム32.7洛陽S
シャンパンカラー32.8東京新聞杯
オフトレイル32.9マイラーズC

セイウンハーデスの32.4は、天皇賞秋という超ハイレベルなG1でこの上がりを出せた点が大きな実績です。

33秒台前半の安定感グループ

馬名直近4走の上がり3F特徴
ウォーターリヒト33.0 / 33.0 / 33.2 / 33.24走連続で33秒台前半
トロヴァトーレ33.0 / 33.1 / 33.2重賞での安定感

ウォーターリヒトの安定感はメンバー随一です。
富士S、マイルCS、東京新聞杯、マイラーズCと、4走連続で33秒台前半をマークしています。
これだけ毎回確実に末脚を繰り出せる馬は、混戦のG1で軸として最も信頼できるタイプです。

トロヴァトーレは現在連勝中。エプソムC(33.0)、東京新聞杯(33.1)と、東京での実績がある点が強みです。

先行+速い上がりの総合力グループ

馬名上がり3Fレース道中位置
ガイアフォース33.2マイルCS4番手
ワールズエンド33.4京王杯SC1番手(逃げ)

ガイアフォースは前目につけながら33秒台前半を出せる総合力が魅力。
ワールズエンドは京王杯SCを逃げ切り、自ら作ったペースから速い上がりを使える機動力があります。

5. 主要4頭を一口馬主目線で深掘り

ウォーターリヒト(ドレフォン産駒)

末脚の安定感ではメンバー随一。
父ドレフォンの東京コース適性、昨年のマイルCS3着という実績は注目です。
ドレフォン産駒というとダート寄りのイメージがありますが、芝の長い直線でも勝負できる末脚を持つ馬を輩出しています。
高杉騎手が「後方一気」の腹を括れば、混戦のG1で一発が見える存在です。5枠9番の好枠も追い風。

トロヴァトーレ(ルメール継続騎乗)

ルメール騎手は安田記念で過去2勝しています。
本馬は東京新聞杯、エプソムCと連勝で勢いに乗っており、ローテーションは少し詰まり気味ながら、上がり3F性能と東京コース実績は文句なし。
8枠17番という大外枠を「外を活かす」騎乗で克服できるかが鍵です。

ガイアフォース(7歳の壁とどう向き合うか)

過去10年の安田記念で、7歳以上の馬は苦戦傾向にあります。
30年競馬を見てきた経験から言えば、7歳を過ぎると東京のタフな直線の坂で「最後の一歩の持続力」がわずかに鈍る印象があります。
G1の極限のスピード勝負では、若い馬の瞬発力に一歩見劣りすることが多いのです。

ただ、ガイアフォースは芦毛の7歳。ゴールドシップやオグリキャップのように年齢を感じさせない走りを見せる馬も過去にいました。
昨年の安田記念2着の実績は無視できず、前目のポジションで33秒台を使える総合力は、混戦のG1で武器になります。
「7歳のデータ不利」と「実績・総合力」、どちらを取るかが評価の分かれ目です。

ステレンボッシュ(唯一の牝馬+レーン乗り替わり)

唯一の牝馬で斤量54kg。
3枠6番の内寄りの好枠で、エプソムC2着で東京の馬場を経験済み。
吉田勝己氏(ノーザンファーム代表)の所有馬で、レーン騎手は東京の直線で「最も伸びるラインを見つける」のが上手いタイプ。
牝馬の斤量恩恵と東京経験の合わせ技で、混戦のG1で一発が見えます。

6. その他出走馬の短評

【セイウンハーデス】天皇賞秋の32.4は爆発力十分。ただし7歳という年齢が壁。
【スズハローム】32秒台複数回の瞬発力。後方一気の典型タイプ。
【オフトレイル】マイルCS5着、マイラーズC2着の重賞実績。
【シャンパンカラー】2026年東京新聞杯で32.8の上がり。距離適性は十分。
【シックスペンス】キズナ産駒でマイル本格化の試金石。武豊鞍上。
【ルクソールカフェ】American Pharoah産駒、堀厩舎の挑戦。穴妙味。
【パンジャタワー】昨年のNHKマイルC勝ち馬、2度目のマイル挑戦。
【ドラゴンブースト】マイラーズC2着で33.0。スクリーンヒーロー産駒の持続力。
【その他】サクラトゥジュール(9歳)、ロングラン(8歳)、シリウスコルトの動向にも注目。

7. 馬場読みとコース取り|エプソムカップ組のアドバンテージ

ここまで上がり3F性能と枠順を見てきましたが、もう1つ重要な視点があります。
それが「馬場のどこを通るか」、つまりコース取りの問題です。

東京マイルは「内・真ん中・外」で全く違う

東京競馬場の芝1600mは、スタートしてすぐコーナーに入り、約525mの長い直線を駆け抜けるコースです。
そのため、馬場状態によって有利なラインが大きく変わります。

開催が進んで内ラチ沿いが荒れてくると、直線で真ん中〜やや外に持ち出した馬が伸びます。
逆に、Cコース替わり直後で内が残っている馬場なら、好位の内を回った先行馬が有利。
今年の安田記念がどちらの傾向になるかは、前日までの馬場を見て判断する必要があります。

エプソムカップ組は東京の馬場を体験済み

ここで注目したいのが、前走エプソムカップ(東京芝1800m)を使ってきた馬たちです。
具体的にはトロヴァトーレ(1着、33.0)、ステレンボッシュ(2着、33.1)。

東京の長い直線、外から伸びる感覚、Cコースの馬場傾向——これらを一度体験して安田記念に挑むのは、大きなアドバンテージです。
特に「直線で真ん中に持ち出すルート」を一度走っていることは、騎手の判断速度に直結します。

私がこの記事で最も独自の視点として強調したいのは、この「エプソムC組の東京経験」です。
データには表れにくいですが、混戦のG1ほど、こうした「経験の差」が結果を分けることが多いと、30年競馬を見てきて感じています。

8. 展開シナリオ|3つのパターンを読む

枠順を踏まえた、想定される展開を3つ整理しました。

シナリオA:スロー → 前残り

ワールズエンドが楽に逃げてペースが落ち着く展開。
スローになれば先行・好位の馬たちが押し切るシーンが目立ちます。
ガイアフォース、ワールズエンド、レーベンスティールがこの展開なら台頭。

シナリオB:ハイペース → 差し決着

複数の先行馬が競り合い、前が崩れる展開。
ウォーターリヒト、トロヴァトーレの王道差しが活きる流れ。
セイウンハーデス、スズハロームの32秒台の脚も届く可能性があります。
過去10年で見ても、こうした展開がもっとも多い印象です。

シナリオC:中間ペース → 総合力勝負

レーティング上位の馬たち(ガイアフォース117、シックスペンス117、レーベンスティール117)が地力で押し切るシナリオ。
極端な展開にならない年は、レーティング順での決着もあり得ます。

9. 現時点で気になる馬(印は控えます)

上がり3F分析と過去10年データを踏まえて、現時点で気になる馬を整理します。
印を打つのはレース直前まで保留します。当日のパドック、馬場状態、最終オッズを見て判断したいからです。

【末脚の安定感】
ウォーターリヒトの4走連続33秒台前半は、混戦のG1で評価すべき安定感です。

【現役の勢い】
トロヴァトーレの連勝中の勢いと、ルメール継続騎乗の組み合わせは無視できません。

【総合力】
ガイアフォースは7歳の壁という不安はあるものの、昨年2着の実績と前目で33秒台を使える総合力は強みです。

【爆発力】
セイウンハーデスの天皇賞秋32.4は、ハイペース展開なら一発のある数字。

【牝馬の斤量恩恵】
ステレンボッシュは唯一の牝馬。距離短縮+レーン乗り替わりがプラスに働くか。

【一口馬主目線】
キャロット3頭出しのレーベンスティール・シックスペンス・ワールズエンドは、所属クラブとして応援したい存在です。

10. 最後に|「差しと前残りの共存」が今年の安田記念

私が今年一番注目しているのは、「差しか前残りか」という二択ではありません。

今年の安田記念は、差し馬と前残りの馬が同時に馬券圏内へ来るレースになると考えています。

東京マイルだからこそ、前で33秒台を使える馬と、後方から33秒0前後を使える馬。
その両者が直線でぶつかり合う。

ワールズエンドやレーベンスティールが前で粘り、ガイアフォースが好位から抜け出し、トロヴァトーレやウォーターリヒトが後ろから差してくる——
こうした「前と差しが掲示板を分け合う」決着が、もっとも今年らしい結末になるのではないでしょうか。

6月7日、府中の長い直線で、どんなドラマが生まれるか——
私自身、本当に楽しみにしています。


安田記念の最新情報はJRA公式で確認できます。
レース後、結果と回顧記事を書く予定です。