競馬という競技は、選び抜かれたサラブレッドたちが己の肉体の限界に挑み、緑の芝生や砂埃舞うダートコースを駆け抜ける、非常に美しくも過酷なスポーツであると言えるのではないでしょうか。そして、それと同時に、どの競走馬が最も速くゴールラインを駆け抜けるのかを推理し、自らの資金を投じて的中を目指すという、極めて知的なエンターテインメントとしての側面も強く持ち合わせていると考えられます。週末になると、競馬場や場外馬券売り場、あるいはインターネットの投票サイトを通じて、数え切れないほど多くのファンが、過去の競走成績や血統の背景、調教のタイム、さらには当日の天候や馬場状態といった無数の不確定要素を分析し、自分なりの結論を導き出そうと頭を悩ませている光景が広がっていると推測されます。
しかしながら、どれほど緻密なデータ分析を行い、あらゆる展開を想定して完璧な予想を組み立てたつもりであっても、競馬という競技において「絶対」という言葉が存在しないことは、長く競馬に親しんでいる方であれば誰もが痛感している真理であると言えそうです。スタート直後の予期せぬ出遅れ、道中の不利、あるいは圧倒的な人気を集めていた本命馬の突然の失速など、人間の想像を遥かに超えるアクシデントが頻発するのが競馬の常であり、それゆえに予想を的中させることは至難の業であると考えられます。そのような不確実性の海の中で、何度も不的中を経験し、悔しい思いをしたことのある競馬ファンであれば、おそらく一度は「もしも、出走しているすべての馬の組み合わせ、すなわち『全通り』を購入したならば、一体どうなるのだろうか」という、究極とも言える疑問を脳裏に思い浮かべたことがあるのではないかと推測されます。
全通りを購入するという行為は、予想というプロセスを完全に放棄し、いかなる結末になろうとも必ず的中馬券を手にすることができるという、ある種の力技であり、究極の保険であるとも言えるかもしれません。しかし、その魔法のような買い方を実行に移すためには、券種によって莫大な資金が必要となることは火を見るより明らかであり、実際にいくらの費用がかかるのか、そしてその投資に見合うだけのリターンを得ることができるのかについては、冷静かつ客観的な分析が必要不可欠になると考えられます。
本記事では、多くの競馬ファンの心の奥底に潜む「競馬全通り いくら」という根源的で興味深いキーワードを中心に据え、この大胆な戦略を実行した場合に券種ごとに必要となる具体的な金額の推算から、全通り買いがもたらすかもしれない精神的および金銭的なメリット、そして、控除率という越えられない壁が立ちはだかることによって生じる致命的なデメリットに至るまで、多角的な視点から幅広く調査し、深い考察を進めていきたいと考えております。競馬において必勝法を見つけ出すことは不可能に近いと思われますが、全通り買いという極端なシミュレーションを通じて、馬券の仕組みやオッズの構造、そしてギャンブルとしての競馬の本質を論理的に紐解くことで、皆様の今後の競馬ライフにおける資金管理や券種選びに、何らかの有益なヒントや新しい視点をもたらす可能性は高いと言えそうです。それでは、競馬における究極の力技である全通り買いの奥深い世界について、順を追ってじっくりと探求していくことにいたしましょう。
競馬全通りを買う場合、券種によっていくら必要なのか
単勝や複勝の全通り買いに必要な金額の推算
競馬においてすべての組み合わせを購入するという、いわゆる全通り買いを検討する際、まず最も基本的な券種である「単勝」や「複勝」から考察を始めるのが論理的な手順であると考えられます。単勝とは、見事1着でゴールする競走馬を1頭だけ予想して当てるという、競馬における最もシンプルかつ原始的な馬券の形式であり、複勝は、選んだ馬が3着以内(出走頭数が7頭以下の場合は2着以内)に入れば的中となる、的中確率が比較的高い券種であると言えます。これらの券種を全通り購入する場合、果たしてどの程度の資金が必要になるのでしょうか。
日本の競馬において、1レースに出走できる競走馬の最大頭数は、原則として18頭に設定されていると推測されます。このフルゲートと呼ばれる18頭立てのレースをモデルケースとして計算してみることにしましょう。競馬の馬券は、現在最も少ない投資単位として100円から購入することが可能であると言われています。したがって、単勝を全通り購入する場合、18頭の競走馬それぞれに対して100円ずつを投じることになるため、計算式は極めて単純であり、18通り掛ける100円で、合計1800円の資金が必要になると算出されます。同様に、複勝を全通り購入する場合も、それぞれの馬が3着以内に入る可能性に対して100円ずつを賭けることになりますので、こちらも18頭掛ける100円で、必要な総額は1800円となる可能性が高いと推測されます。
この1800円という金額は、週末に競馬を楽しむ一般的なファンのお小遣いの範囲内に十分に収まる金額であり、決して用意することが不可能な額ではないと言えるでしょう。むしろ、飲み代やちょっとした外食の費用を我慢すれば、誰でも簡単に単勝や複勝の全通り買いを実行に移すことができる程度の、非常に身近な金額であると見受けられます。しかしながら、金額が安いからといって、これが効率的な投資であるかどうかは全く別の問題であると考えられます。なぜなら、単勝を18通り購入したとしても、レースで1着になれる馬は当然ながら1頭しか存在しないため、残りの17枚の馬券はレースが終了した瞬間に完全に無価値な紙切れ、いわゆるハズレ馬券となってしまう運命にあるからです。つまり、1800円を投資して、必ず1つの的中馬券を手にすることはできますが、その的中した馬券の払戻金が1800円を上回らなければ、トータルの収支はマイナスになってしまうという厳しい現実が待ち受けていると推測されます。単勝や複勝の全通り買いは、必要資金こそ少額で済みますが、利益を出すためのハードルは決して低くないということが、この単純な計算からも示唆されているのではないでしょうか。
馬連や馬単など2頭を絡める券種の全通り購入費用の考察
単勝や複勝といった1頭だけを選ぶシンプルな券種から一歩進んで、1着と2着になる競走馬の組み合わせを予想する「馬連」や「馬単」、あるいは1着から3着までのうち2頭の組み合わせを当てる「ワイド」といった、2頭の馬を絡める券種へと対象を広げた場合、全通り購入に必要な資金はどのように変化していくのかを推察してみましょう。2頭を選ぶ券種になると、組み合わせの数は単勝とは比較にならないほど劇的に増加していくという数学的な法則が存在していると考えられます。
まず、1着と2着の競走馬を順不同で当てる「馬連」について考えてみます。フルゲート18頭立てのレースにおいて馬連の全組み合わせを計算するためには、高校の数学で学ぶ組み合わせの公式を用いるのが一般的であると言われています。18頭の中から異なる2頭を選ぶ組み合わせの数は、(18掛ける17)割る2という計算式で求めることができ、その答えは153通りになると推測されます。馬券の最小購入単位である100円をこの153通りすべてに投資した場合、必要となる資金の総額は15300円に跳ね上がることになります。単勝の全通り買いが1800円であったことを思い返せば、馬連にするだけで必要な金額が一気に8倍以上に膨れ上がるという事実は、組み合わせの持つ恐るべき増殖力を物語っていると言えるでしょう。15300円という金額は、もはや軽い気持ちで遊び半分に出せる額ではなく、ある程度まとまったお小遣いを用意しなければならないレベルに達していると見受けられます。
次に、1着と2着の競走馬を着順通りに正確に当てなければならない「馬単」について考察を進めてみましょう。馬単の場合は着順が重要となるため、組み合わせの計算ではなく、順列の公式を用いる必要があると考えられます。18頭の中から1着と2着を順番に選ぶ組み合わせの数は、18掛ける17という計算式で求められ、その総数は306通りになると推測されます。これを100円ずつ全通り購入した場合、必要な資金は30600円となります。馬連のちょうど2倍の組み合わせが存在するため、投資金額も倍増するという結果になります。3万円を超える出費となれば、一般的な競馬ファンにとっては1日の予算の大半、あるいはそれ以上を占める可能性が高く、全通り買いを実行するためには相当な覚悟と資金力が必要になってくると推測されます。また、ワイドに関しても、組み合わせの数は馬連と同じ153通りとなるため、全通り購入には15300円が必要になると考えられます。このように、2頭を絡める券種においては、必要資金が1万円から3万円台に達するため、全通り買いという力技を実践するためのハードルは、単勝に比べて飛躍的に高まっているということが論理的に導き出されるのではないでしょうか。
3連複の全通り購入にかかる費用の目安と傾向
競馬の券種の中で、近年多くのファンから絶大な人気を集めているのが、1着、2着、3着となる競走馬の組み合わせを順不同で当てる「3連複」と呼ばれる馬券であると推測されます。3連複は、馬連や馬単よりも的中させるのが難しい反面、人気薄の馬が1頭でも3着以内に絡めば、数万円、時には数十万円といった高額な配当、いわゆる万馬券が飛び出しやすいという、非常に魅力的なハイリスク・ハイリターンな性質を持ち合わせていると考えられています。では、この夢のある3連複を、いかなる結果になろうとも確実に的中させるために全通り購入した場合、その費用は一体いくらになるのでしょうか。
フルゲート18頭立てのレースにおいて、3連複の全組み合わせを導き出すためには、再び組み合わせの数学的な公式を用いる必要があると推測されます。18頭の競走馬の中から、順序を問わずに異なる3頭を選ぶ組み合わせの数は、(18掛ける17掛ける16)割る(3掛ける2掛ける1)という複雑な計算式によって算出されると言われています。この計算を解き進めていくと、驚くべきことにその総数は816通りにも上ることが判明すると思われます。馬連の153通りと比較しても、3頭を選ぶという条件が加わるだけで、組み合わせの数が爆発的に、実に5倍以上にまで膨れ上がっていることがお分かりいただけるでしょう。
この816通りという膨大な組み合わせのすべてに対して、馬券の最小単位である100円ずつを投資したと仮定します。そうすると、3連複の全通り買いに必要となる資金の総額は、816通り掛ける100円で、なんと81600円に達するという計算結果が導き出されると考えられます。約8万円という金額は、平均的なサラリーマンの1ヶ月のお小遣いを軽く超越している可能性が高く、たった1回のレースの馬券代として投じるには、常軌を逸した途方もない金額であると言わざるを得ないかもしれません。週末の競馬開催日には1日に数十ものレースが開催されていますが、そのうちのたった1レースで全通り買いをするためだけに8万円以上もの大金を用意しなければならない現実は、一般の競馬ファンにとって3連複の全通り買いがいかに非現実的で、手の届かない領域にあるかということを残酷なまでに示していると推測されます。これほどの大金を投じて全通りを買ったとしても、もしレースの結果が1番人気から3番人気までの順当な、いわゆるガチガチの決着で終わってしまった場合、3連複の配当が数千円、あるいは数百円にしかならないという悲劇的な事態も十分に起こり得ると考えられます。その場合、投資した8万円以上の大半が海の藻屑と消えてしまうという、背筋が凍るような絶望的なリスクが常に付きまとっているということも、忘れてはならない重要な側面であると言えそうです。
3連単の全通り買いはいくらになるのか、驚愕の金額を算出
日本の競馬において現在発売されている馬券の中で、最も的中させることが困難であり、それゆえに最も莫大な配当をもたらす可能性を秘めている、まさに究極の券種と呼ぶにふさわしいのが「3連単」であると考えられます。3連単は、1着、2着、3着となる競走馬を、その着順通りに完璧に予測しなければならないという、極めて難易度の高いミッションをファンに要求していると推測されます。その難易度の高さの代償として、過去には数百万円、さらには数千万円という、家が一軒買えてしまうほどの桁外れの超高額配当が何度も飛び出しており、一攫千金を夢見る多くの競馬ファンを熱狂の渦に巻き込んできた歴史があると言われています。この究極の馬券である3連単を、どのような大波乱が起きても絶対に逃さずに的中させるために全通り購入するという、神をも恐れぬ禁断の戦略に出た場合、一体どれほどの資金が要求されるのか、その驚愕の真実に迫ってみたいと思います。
フルゲート18頭立てのレースにおいて、3連単のすべての組み合わせを算出するためには、順列の公式を最大限に活用する必要があると考えられます。18頭の競走馬の中から、1着、2着、3着を順番に指定して選ぶ組み合わせの数は、18掛ける17掛ける16という計算式で求められると推測されます。この掛け算を実行すると、導き出される組み合わせの総数は、なんと4896通りという、気が遠くなるような途方もない数字に達すると思われます。3連複の816通りと比較してもちょうど6倍、単勝の18通りと比較すれば実に272倍という、まさに天文学的な組み合わせがそこには存在していると言えるでしょう。
この4896通りのすべてを、たった100円ずつ購入したと仮定してみましょう。その場合、3連単の全通り買いに必要となる投資資金の総額は、4896通り掛ける100円で、48万9600円という、およそ50万円に近い信じがたい金額になることが計算によって明らかになると考えられます。たった2分から3分程度で決着がついてしまう1回の競馬のレースに対して、約50万円もの大金を一括で投じることができるのは、ごく一部の限られた富裕層か、あるいは破滅を恐れないギャンブラーくらいのものであり、一般的な金銭感覚を持つ競馬ファンにとっては、完全に異次元の狂気とも言える投資額であると見受けられます。しかも、約50万円を投じて全通りを購入し、見事に3連単を的中させたとしても、もしレース結果が人気馬同士の平穏な決着に終わってしまい、3連単の配当が1万円程度にしかならなかったとしたら、その瞬間に約48万円もの巨額の損失が確定してしまうという、想像を絶する恐ろしいリスクを抱え込むことになると推測されます。3連単の全通り買いは、理論上は確実に的中馬券を手にすることができる魔法の方法に見えるかもしれませんが、現実には莫大な資金力と、すべてを失うかもしれないという極限の恐怖に耐えられる強靭な精神力がなければ、決して実行に移すことのできない、極めて非現実的で危険な幻想であるということが、この約50万円という金額から痛烈に伝わってくるのではないでしょうか。
競馬全通りをいくらかけても買うメリットはあるのか
絶対に的中するという精神的な安心感についての考察
前章において、競馬の全通り買い、特に3連複や3連単といった複雑な券種においては、想像を絶するほどの莫大な投資資金が必要となることが論理的に導き出されました。これほどまでの大金を投じてまで、すべてを網羅するという極端な戦略を採用することに、果たして何らかのメリットは見出せるのでしょうか。費用対効果というシビアな現実を一旦脇に置いて考えた場合、全通り買いがもたらす最も強烈でユニークなメリットとして挙げられるのが、「いかなる結果になろうとも、100パーセント確実に的中馬券を手にすることができる」という、究極の精神的な安心感の獲得であると推測されます。
通常の競馬予想においては、ファンは過去のデータを血眼になって分析し、展開を何度もシミュレーションし、悩み抜いた末に数点から数十点に絞り込んで馬券を購入していると考えられます。しかし、レースがスタートしてゲートが開いた瞬間から、自分の選んだ馬が出遅れないか、道中で不利を受けないか、最後の直線で前が壁にならないかといった、無数の不安や恐怖と戦いながら、祈るような気持ちでターフを見つめなければならないという、極度の精神的ストレスを強いられるのが競馬の常であると言えるでしょう。そして、写真判定の末にわずかハナ差で的中を逃した時や、全く予想もしていなかった大穴の馬が突っ込んできて馬券が紙屑になった時の、あの身を切られるような絶望感と徒労感は、競馬ファンであれば誰もが経験したことのあるトラウマであると推測されます。
しかし、全通り買いという魔法の切符を手に入れた者は、そのような競馬特有の不安やストレスから完全に解放される特権を得ることができると考えられます。レースがどのような超ハイペースになろうとも、圧倒的な1番人気が落馬しようとも、あるいは誰も名前を知らないような最低人気の馬が激走して1着になろうとも、自分の手元には必ずその結末を予言していた的中馬券が存在しているという絶対的な事実は、まるで自分がレースの支配者になったかのような、ある種の全能感すら与えてくれる可能性が示唆されます。ゴール前で「差せ!」「残れ!」と声を枯らして絶叫する必要はなく、ただ静かに、どのようなドラマチックな結末が訪れるのかを、高みの見物と洒落込むことができるという究極のリラックス状態は、多額の資金を投じた者だけが味わうことのできる、非常に特異で贅沢な精神的メリットであるという見方ができるかもしれません。もちろん、レース後に払戻金額を確認して青ざめるという別のストレスが待ち受けている可能性は極めて高いわけですが、レース中における「絶対に当たる」という確信は、何物にも代えがたい精神安定剤として機能するのではないかと推測されます。
大荒れした際の超高額配当を獲得できる可能性
競馬において全通り買いを決行する最大のモチベーションであり、最も夢のある金銭的なメリットとして考えられるのが、競馬の歴史に名を残すような大波乱、いわゆる「大荒れ」のレースに遭遇した際、誰も予想できなかったような超高額配当を確実に自らの懐に収めることができるという、一攫千金の可能性を秘めている点であると推測されます。競馬というスポーツは、時として人間の常識や論理的なデータ分析を完全に嘲笑うかのように、圧倒的な人気を集めていた実力馬たちが総崩れとなり、オッズが数百倍、数千倍もするような人気薄の伏兵馬たちが上位を独占するという、奇跡のような結末を迎えることが稀に発生すると言われています。
このような大荒れのレースにおいて、3連単の配当は数十万円にとどまらず、数百万円、時には1千万円を超えるような、まさに宝くじレベルの超高額配当となるケースが存在していると考えられます。しかしながら、一般的な競馬ファンが自らの推理力だけで、そのような常識外れの組み合わせをピンポイントで予想し、実際に馬券を購入することは、砂浜の中から一粒の砂金を見つけ出すよりも困難な、ほぼ不可能に近い離れ業であると言えるでしょう。大穴を狙うファンであっても、せいぜい中穴クラスの馬を絡めるのが限界であり、最低人気の馬が何頭も上位に絡むような馬券は、そもそも予想の段階で切り捨ててしまうのが人間の合理的な心理であると推測されます。
ところが、全通り買いという網を広げていれば話は全く別になります。約50万円という大金を投じて3連単の全4896通りを購入していれば、いかに常軌を逸した大波乱が起き、誰も買っていないような数千万円の配当が飛び出そうとも、その当たり馬券は必ず自らの手元に存在しているという事実が約束されていると考えられます。もし、投資額の約50万円に対して、払戻金が1千万円を超えるようなメガトン級のホームランが飛び出せば、一撃で950万円以上の莫大な純利益を手にすることができるという、まさに人生を狂わせるほどのリターンを得る可能性がそこには存在していると推測されます。日常の競馬においては、堅い決着で大損をするリスクの方が遥かに高い全通り買いですが、「いつか必ず来る大波乱」という一筋の光を信じて、雷が落ちるのを待つように全通りを買い続けるという極端な戦略は、宝くじを大量に購入する心理と似ており、超高額配当という夢を逃さずに必ず掴み取ることができるという点において、唯一無二のロマンとメリットを内包しているのではないかと考えられます。
控除率を無視した特例的なレースにおける期待値の推量
競馬の全通り買いは、基本的には控除率の壁に阻まれて長期的に損失を出す構造になっていると考えられますが、ごく稀に発生する特定の条件や特例的なシステムが適用されるレースにおいては、全通り買いの持つ性質が逆転し、期待値が跳ね上がるという特殊なメリットが生じる可能性が密かに示唆されています。日本の競馬においては、ファンへのサービス還元などを目的として、通常の払戻金に一定の金額を上乗せする特別なキャンペーンが実施されることがあり、そのようなイレギュラーな状況下において、全通り買いという戦略が思わぬ威力を発揮するのではないかと推測されるからです。
その代表的な例として挙げられるのが、JRA(日本中央競馬会)が特定のレースを対象に実施している「JRAプラス10(プラステン)」などの上乗せシステムや、あるいは地方競馬などで稀に見られるキャリーオーバー(前走の的中者がいなかったために繰り越された配当金)が発生しているケースであると考えられます。例えば、特定の券種において、本来であれば計算上の払戻金が元本割れしてしまうようなガチガチの大本命決着になった場合でも、特例として最低100円の元本に加えて10円を上乗せし、110円の払戻しを保証するといった制度が存在していると言われています。また、海外競馬などの一部の特殊なプールシステムにおいては、特定の条件が重なることで、一時的に払戻率が100パーセントを超える(理論上、買えば買うほど儲かる)ような、オッズの歪みとも呼べる奇跡的な状況が発生する可能性もゼロではないと推測されます。
もし、このような特例的な上乗せや、キャリーオーバーによってプール金が異常に膨れ上がり、レース全体の払戻率が通常よりも著しく高くなっている状況下において全通り買いを決行した場合、通常のレースで全通りを買うよりも、ハズレ馬券による損失をカバーしやすくなり、結果としてトータルの回収率が100パーセントに近づく、あるいは運が良ければプラスに転じるという、数学的な期待値の向上が見込める可能性が存在していると考えられます。もちろん、そのような特殊なレースを見極めるためには高度な情報収集能力と統計的な知識が必要であり、常に成功するとは限りませんが、「全通り買い=絶対に損をする」という固定観念を覆し、システムの隙を突いて有利な状況を作り出せるかもしれないという点において、特例レースにおける全通り買いは、ギャンブラーの知的好奇心を刺激するマニアックなメリットを秘めているという見方ができるのではないでしょうか。
競馬の仕組みを学ぶためのデータ収集としての側面
競馬の全通り買いに莫大な資金を投じることのメリットを、金銭的な利益や精神的な安心感とは全く異なる、「学習」や「データ収集」というアカデミックな視点から考察してみると、実は意外な副産物が得られる可能性が示唆されていると考えられます。競馬の予想力を根本から向上させるためには、過去のレース結果をただ眺めるだけでなく、オッズの形成メカニズムや、配当金の計算方法、そして群集心理がどのように馬券の売上に偏りをもたらすのかという、競馬というシステムの根幹を深いレベルで理解することが不可欠であると推測されます。
その点において、実際に自らの身銭を切って全通り買いを実行してみるという行為は、競馬のオッズ構造を残酷なまでに可視化し、身をもって体験するための究極の実地訓練になり得るのではないかと考えられます。例えば、3連単を全通り約50万円で購入し、レース終了後にそれぞれの組み合わせがどれくらいの配当を生み出したのか、そして上位人気馬が絡んだ時の配当の低さと、人気薄が絡んだ時の配当の跳ね上がり方を、すべて自分の購入履歴というリアルなデータとして確認することができるわけです。「なるほど、この人気順の決着だと配当はこれくらいにしかならないのか」「これだけ荒れたように見えても、自分の投資額50万円を回収するには全く足りないのだな」といった、痛みを伴う生々しい気づきは、机上の空論やシミュレーションソフトでは決して得ることのできない、非常に価値のある経験則として脳裏に刻み込まれると推測されます。
このように、全通り買いを通じて得られた「どの程度の荒れ方で、どれくらいの配当になるのか」という相場観や、「人気馬が飛んだ時のオッズの歪み方」といった生きたデータは、今後の通常の競馬予想において、「このレースは堅そうだから、何点買ってもトリガミになるな」「このレースは波乱の気配が強いから、手広く流しても回収できる見込みがある」といった、資金配分や券種選択の精度を飛躍的に高めるための、強力な判断基準(アルゴリズム)へと昇華されていく可能性が高いと言えるでしょう。数万円から数十万円という高額な授業料を支払うことにはなりますが、競馬という巨大なシステムのブラックボックスを解き明かし、自らの馬券力を次のステージへと引き上げるための「究極のデータ収集投資」として捉えれば、全通り買いの経験は、長期的には計り知れないメリットをもたらす財産になるという、ある種の哲学的な見方も成立するのかもしれません。
競馬全通りにいくら投資しても回収率がマイナスになりやすい理由
競馬における控除率が全通り買いに与える致命的な影響
競馬全通り買いという究極の力技が、なぜ長期的にはほぼ確実に失敗に終わり、投資した資金がマイナスへと沈んでいく運命にあるのか。その最大の理由であり、越えることのできない絶対的な障壁として立ちはだかっているのが、日本の競馬システムに組み込まれている「控除率(こうじょりつ)」あるいは「テラ銭」と呼ばれる仕組みの存在であると推測されます。競馬の全通り買いを試みようとする者は、この控除率という数学的な現実を直視し、それが自らの資金にどのような致命的な影響を与えるのかを深く理解しなければならないと考えられます。
競馬において、全国のファンから集められた馬券の売上金は、すべてが的中者に還元されるわけではないという事実が存在しています。主催者であるJRAや地方競馬の運営団体は、集まった総売上の中から、レースの賞金や競馬場の維持管理費、職員の給与、あるいは国庫への納付金などを賄うために、あらかじめ一定の割合を差し引く権利を持っていると言われています。この差し引かれる割合こそが控除率であり、日本の競馬においては、券種によって若干の差異はあるものの、概ね20パーセントから30パーセント程度の範囲に設定されているのが一般的であると推測されます。例えば、単勝や複勝であれば約20パーセント、3連単などの複雑な券種になれば約27.5パーセントもの金額が、レースが始まる前にすでに主催者側によって天引きされているという計算になります。
この控除率の存在が、全通り買いという戦略に対して決定的な打撃を与えるメカニズムは非常にシンプルです。仮に、控除率が25パーセントの券種において、すべてのファンがすべての組み合わせに均等に資金を投じたと仮定します。その場合、総売上の100パーセントの中から、まず主催者が25パーセントを徴収します。そして残りの75パーセントの金額が、的中した馬券の持ち主たちに配当金として分配されることになります。ここで、全通り買いをしている人を想像してみてください。全通りを買っているということは、その人一人で「競馬のシステム全体を縮図にしたような投資」を行っていることと同義であると言えるでしょう。つまり、投資した資金の100パーセントに対して、戻ってくる払戻金の期待値は、最初から控除率を差し引かれた75パーセントという数字に設定されてしまっているという、残酷な数学的真理が浮かび上がってくるのです。いかに大荒れのレースを引き当てようとも、全レースを長期的に全通り買いし続ければ、必ずこの「控除率という名の見えない税金」によって資金は削り取られ続け、投資額の約7割から8割程度しか手元に戻ってこないという、マイナス収支のブラックホールへと吸い込まれていく運命にあると推測されるのです。この構造的欠陥こそが、全通り買いが必勝法たり得ない最大の理由であると言えるでしょう。
トリガミ(的中してもマイナス収支)が頻発するメカニズム
競馬全通り買いにおいて、控除率の壁に加えて投資家を絶望の淵へと追いやる、さらに現実的で頻繁に発生する現象が「トリガミ」と呼ばれる恐怖のメカニズムであると考えられます。トリガミとは、競馬用語で「馬券は見事に的中したにもかかわらず、その払戻金額が、馬券を購入するために投資した総額を下回ってしまい、結果的にマイナス収支になってしまうこと」を指していると言われています。全通り買いという戦略は、このトリガミという現象を意図的に、そして極めて高い確率で自ら引き起こしてしまうという、自己矛盾に満ちた欠陥を抱えていると推測されます。
なぜ全通り買いをするとトリガミが頻発するのか、その理由は競馬のレース結果の「傾向」と「オッズの偏り」に深く関係していると見受けられます。競馬のレースは、常に大波乱が起きて人気薄の馬ばかりが勝つわけではありません。むしろ、過去の膨大なデータを統計的に分析すれば明らかなように、大半のレースにおいては、多くのファンから支持を集め、実力があると見なされている「1番人気」から「3番人気」程度の上位人気馬が、順当に馬券圏内(3着以内)に絡んでくるケースが圧倒的に多いという事実が存在していると考えられます。そして、上位人気馬同士で決着したレースの配当金は、当然のことながら非常に低い金額にとどまることになります。
例えば、3連複を全通り8万1600円で購入したとします。しかし、レース結果が1番人気、2番人気、3番人気のガチガチの決着であった場合、その3連複の配当はわずか1000円から2000円程度にしかならないという事態が頻発すると推測されます。その瞬間、的中馬券を手にしているにもかかわらず、約8万円もの巨額の損失が確定してしまうという、何とも虚しい現実を突きつけられることになるのです。3連単を約50万円で全通り購入した場合のトリガミの破壊力はさらに凄まじく、数千円の配当に対して数十万円のマイナスという、一瞬で心が折れるような大惨事を招く可能性が高いと言えるでしょう。全通り買いは、滅多に起きない数百万馬券の夢を追いかける代償として、日常的に発生する堅い決着のたびに数万から数十万円のトリガミという名の「出血」を強いられる、極めて出血量の多い不健康な投資スタイルであると推測されます。大波乱のホームランを打つ前に、毎回の打席でのトリガミによるマイナスが蓄積し、資金が完全に底をついてしまうというシナリオこそが、全通り買いが失敗に終わる最も典型的なメカニズムであると言えるのではないでしょうか。
資金力に限界がある一般ファンにとっての現実的なハードル
競馬の全通り買いという極端な戦略が、理論上の問題だけでなく、現実の世界において実行不可能に近い理由の一つとして、一般的な競馬ファンが抱える「資金力の絶対的な限界」という、非常にシビアで越えられない物理的なハードルが存在していることが推測されます。前章で算出した通り、全通り買いに必要な資金は、馬連などの比較的シンプルな券種であっても1万円から3万円台、そして3連複や3連単といった高配当が期待できる複雑な券種になれば、約8万円から約50万円という、目眩がするような莫大な金額に達することが明らかになっています。
この金額を、週末に開催される競馬の「たった1レース」のためにポンと出せる人間が、果たしてどれほど存在するでしょうか。一般的なサラリーマンや学生、あるいは主婦といった、限られたお小遣いの範囲内で競馬という娯楽を楽しんでいる大多数のファンにとって、1レースに数十万円を投じることは、家計を破綻させ、生活の基盤を根底から揺るがしかねない、狂気の沙汰と言っても過言ではないと推測されます。仮に、ボーナスを全額つぎ込んだり、長年貯めた貯金を切り崩したりして、一度だけ3連単の全通り買いに挑戦したとしましょう。しかし、前述した通り、競馬はガチガチの堅い決着になることが多いため、その一生に一度の大勝負が、数百円の配当による大トリガミに終わり、一瞬にして数十万円の貯金を失ってしまうという悲劇的な結末を迎える可能性は極めて高いと言わざるを得ません。
さらに、全通り買いの恐ろしいところは、1度や2度の大敗では損失を取り戻すことができず、大波乱の超高額配当を引き当てるまで、何度も何度も数十万円の投資を「継続し続けなければならない」という点にあると考えられます。1日12レースすべてで3連単の全通り買いをすれば、1日だけで約600万円という、高級車が買えてしまうほどの資金が吹き飛ぶ計算になります。このような異常なペースで資金を消費し続けることは、世界的な大富豪でもない限り物理的に不可能であり、一般のファンであれば、数レース挑戦しただけで瞬く間に資金が完全にショートし(パンクし)、競馬市場から強制的に退場させられてしまう運命にあると推測されます。全通り買いは、一見すると必ず当たる魔法の杖のように見えますが、その魔法を行使するために要求される「魔力(資金力)」が、一般人の限界を遥かに超えているという点において、絵に描いた餅に過ぎないという現実が浮き彫りになっているのではないでしょうか。
ギャンブルとしてのスリルや予想の楽しみが失われる可能性
競馬全通り買いを試みることの最大のデメリットであり、金銭的な損失以上に競馬というエンターテインメントの根幹を揺るがす深刻な問題として考えられるのが、競馬本来の醍醐味である「予想する楽しみ」や、ギャンブル特有の「スリルと興奮」が、全通り買いによって完全に失われてしまうという、精神的な喪失感の可能性であると推測されます。多くのファンが競馬場に足を運び、あるいはテレビの前に陣取ってレースに熱狂するのは、単にお金を増やしたいという欲求だけでなく、自らの知力と直感を駆使して不確実な未来を推理し、その予想が見事に的中した時の達成感やカタルシスを味わいたいという、知的なゲームへの欲求が根底にあるからではないかと考えられます。
血統表を紐解き、過去のレースのラップタイムを分析し、調教の気配やパドックでの馬の歩様を観察し、展開の有利不利を頭の中で何通りもシミュレーションして、悩み抜いた末に数点の馬券に自分の思いを託す。この一連の「予想というプロセス」こそが、競馬を単なる運任せのくじ引きではなく、奥行きのあるブラッドスポーツへと昇華させている本質であると言えるでしょう。そして、自分が選んだ馬が最後の直線で先頭争いに加わった時の、心臓が口から飛び出そうになるほどのスリルと、見事に1着で駆け抜けた時の爆発するような喜びは、自ら予想の苦労を乗り越えた者だけが味わえる至高の瞬間であると推測されます。
しかし、全通り買いという戦略は、この競馬の持つ知的なプロセスと精神的なカタルシスを、すべてお金の力で無効化し、作業へと変質させてしまう暴力的な行為であるという見方ができるかもしれません。全通りを買ってしまえば、どの馬の調子が良いかなど分析する必要はなくなり、展開がどうなるかなど考える意味も消滅してしまいます。レース中も、「どの馬が勝っても当たり馬券は持っている」という冷めた状態となり、応援する馬への感情移入や、手に汗握るスリルを感じることはできなくなってしまうと推測されます。ただただ、レースが終わった後に配当の電光掲示板を見て、「元が取れたか、トリガミで大損したか」という無機質な計算作業を行うだけの、非常に味気なく、精神的に貧困な行為へと成り下がってしまう危険性が高いと言えるのではないでしょうか。競馬の全通り買いは、投資としても非効率であるばかりか、競馬という素晴らしい文化が持つロマンや感動を自ら放棄してしまうという点において、真の競馬ファンであれば決して足を踏み入れるべきではない、禁断の領域であると言えそうです。
競馬全通りいくらかかるのかについてのまとめ
今回は競馬全通りいくらかかるのかについてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。
・18頭立てのレースで単勝や複勝を全通り100円ずつ買うとそれぞれ1800円の資金が必要になると算出される
・馬連やワイドを全通り購入する場合は153通りとなるため15300円と単勝の8倍以上の費用がかかると推測される
・馬単を全通り買うと組み合わせが306通りに増えるため30600円というまとまったお小遣いが必要になると思われる
・3連複の全通り購入は816通りとなり約8万円という一般ファンには手が出しにくい高額な投資が必要になる傾向がある
・究極の券種である3連単を全通り買うと4896通りにも達し約50万円という驚愕の資金が要求されると考えられる
・全通り買いはいかなる結果になっても必ず的中馬券を手にできるという究極の精神的安心感をもたらす可能性が示唆される
・数千万馬券のような歴史的大波乱が起きた際にその超高額配当を確実に取り逃がさないという唯一無二のロマンがあると言える
・JRAプラス10やキャリーオーバーなど特例的な上乗せがあるレースでは全通り買いの期待値が一時的に上昇する可能性もある
・全通り買いを実践することでオッズの歪みや配当の仕組みを生々しく体験し競馬のデータ収集として役立つ側面もあると推測される
・競馬には約20パーセントから30パーセントの控除率があるため全通り買いを続けると構造上必ずマイナス収支に沈むと考えられる
・大半のレースは上位人気で決着するため高額な投資に対して払戻金が少なくなるトリガミが頻発し資金が削られていくと推測される
・1レースに数万円から数十万円を投じ続けることは一般ファンの資金力では不可能に近くあっという間にパンクする危険性が高い
・全通り買いは予想のプロセスを放棄するため競馬本来の知的な推理の楽しみやレースを観るスリルが完全に失われてしまうと思われる
競馬の全通り買いは理論上の面白さや一獲千金の夢を内包しているものの、控除率やトリガミといった現実的な壁によって長期的には損失を被る可能性が極めて高いアプローチであると言えそうです。
この極端な買い方のメカニズムを理解することで、馬券の仕組みをより深く知る一助にしてみてはいかがでしょうか。
皆様の今後の競馬ライフが、より戦略的で楽しいものになることを願っております。

